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アフリカのテレビ事情と各国の放送局

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アフリカのテレビ放送情報

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アフリカのテレビ環境は、国ごとの歴史、言語、地域構成、放送制度によって大きく異なります。このページで取り上げているエジプト、ナイジェリア、セネガル、ケニア、ルワンダでも、全国ネットワークを持つ公共放送、民間の総合テレビ、ニュース専門局、地域放送、専門チャンネルなど、それぞれ異なる形のテレビが見られます。首都や大都市に放送局が集まる国がある一方、全国各地や特定地域を対象とする放送もあり、局の所在地と番組が扱う地域は必ずしも一致しません。

放送言語にも各国の社会が反映されています。エジプトではアラビア語を中心に、国外向けには英語やフランス語も使われています。ナイジェリアでは英語に加えてハウサ語、ヨルバ語、イボ語など、ケニアでは英語とスワヒリ語のほか地域言語によるテレビもあります。セネガルではフランス語とウォロフ語を中心に複数の民族語が使われ、ルワンダでもルワンダ語に英語やフランス語が加わります。同じアフリカ地域でも、テレビで使われる言語の組み合わせは国によって大きく異なります。

放送局の役割も一様ではありません。ナイジェリアの NTA やセネガルの RTS のように全国と地域を結ぶ公共放送がある一方、エジプトにはアラブ地域や国外を対象とするニュース・国際放送があり、ケニアやルワンダでは民間テレビと公共放送がそれぞれ異なる番組分野を担っています。各国の放送局について、所在地、対象地域、放送言語、番組分野、沿革をたどることで、アフリカのテレビが国ごとの社会や地域、言語環境とどのように結びついているかを紹介します。


エジプト・アラブ共和国

エジプトのテレビ放送には、公共放送による全国・地域向けのチャンネルに加え、民間の総合テレビ、ニュース専門チャンネル、料理や生活情報を扱う専門チャンネルなど、性格の異なる放送があります。ニュースや時事を重視するテレビが複数ある一方、生活や食文化に焦点を当てた専門編成も見られます。Al Qahera News は政治、経済、外交、社会、国際情勢などを扱い、Alghad TV はエジプト国内に加えてアラブ地域を広く対象とするニュース・時事チャンネルです。Sada El Balad は報道や討論に生活情報、スポーツ、エンターテインメントを組み合わせ、CBC Sofra は料理、食、暮らしに重点を置いています。

放送対象や使用言語にも違いがあります。Al Qahera News はエジプト国内の出来事だけでなく、中東、アフリカ、国際情勢まで扱い、Alghad TV はアラブ諸国を横断するニュースを編成しています。National Media Authority(NMA)のテレビ部門では、国内向けの総合・専門チャンネルや地域放送に加え、Nile TV International が英語とフランス語を用いてエジプトのニュース、社会、文化などを国外へ伝えています。アラビア語による国内・地域向け放送と、外国語による国外向けの情報発信が同じテレビ環境の中に存在しています。

放送局の所在地と沿革を見ると、エジプトのテレビ放送が首都圏を中心に発展してきたことも分かります。NMA は1960年に始まったテレビ放送と旧 ERTU の系譜を受け継ぎ、カイロの Maspero Building を拠点としています。Al Qahera News 、Alghad TV 、Sada El Balad 、CBC Sofra はギザ県10月6日市を主要拠点としており、ニュース、総合編成、料理という異なる分野を担っています。公共放送からアラブ地域を対象とするニュース、日常の食文化を扱う専門チャンネルまでが並ぶことから、エジプトの放送環境が国内社会だけでなく、周辺地域や国外への情報発信とも結びついていることが見えてきます。

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ナイジェリア連邦共和国

ナイジェリアのテレビ放送には、全国規模のネットワークから州や地域を基盤とする放送局まで、それぞれ異なる範囲を対象とするテレビ局があります。Nigerian Television Authority(NTA)は連邦首都地区アブジャを本部とし、各州や地域に放送拠点を持つ全国ネットワークを構成しています。これに対して、南部エド州のベニンシティを拠点とする Independent Television and Radio(ITV)は、エド州のニュースや社会、文化、生活に関係する話題を多く取り上げています。

国内最大の都市ラゴスには、性格の異なるテレビ局が集まっています。Channels Television はナイジェリアの政治、選挙、経済、社会などを中心とするニュース・時事チャンネルで、News Central TV はナイジェリアだけでなくアフリカ各地へ報道対象を広げています。同じラゴスを拠点とする Lagos Television(LTV)はラゴス州政府が運営し、州の行政、交通、教育、文化、地域社会に関係する情報を扱っています。一つの都市の中にも、全国的なニュースを扱う民間局と州民向けのテレビという役割の違いがあります。

放送言語を見ると、英語が広く使われる一方、NTA のテレビ事業にはハウサ語、ヨルバ語、イボ語を扱うサービスがあり、LTV でも英語とヨルバ語が使われています。地域によって言語や文化が異なるナイジェリアでは、全国共通のニュースだけでなく、州や地域に関係する行政、社会、文化、伝統などもテレビ番組の題材になります。アブジャの全国ネットワーク、ラゴスのニュース局と州営テレビ、ベニンシティの地域を基盤とする民間局を比べると、広い国土と地域ごとの社会を反映した放送局の役割の違いが見えてきます。

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セネガル共和国

セネガルのテレビ放送の歩みは、1965年に始まった教育目的のテレビ放送にさかのぼります。1972年には全国向けのテレビ放送が本格化し、翌1973年にラジオとテレビを担う ORTS が設立され、その後現在の公共放送 RTS へとつながりました。長く公共テレビが中心だった放送環境には2000年代から民間局が相次いで加わり、2STV は2005年、Walf TV は2007年、Sen TV は2009年、TFM は2010年にテレビ放送を開始しています。現在のセネガルでは、こうした異なる時期に成立した公共放送と民間テレビがそれぞれ番組を編成しています。

ダカールを拠点とする民間局を比べると、番組の重点にも違いがあります。Walf TV は政治、社会問題、討論などを継続的に扱い、Sen TV はニュース・時事に社会、健康、スポーツ、エンターテインメントなどを組み合わせています。TFM と 2STV は報道に加えて音楽、文化、スポーツ、エンターテインメントも大きな分野です。放送ではフランス語とウォロフ語が広く使われ、局によってセレール語やプラール語なども加わります。公用語のフランス語と各民族語が共存するセネガルの言語環境は、テレビ放送にも反映されています。

公共放送の RTS は、民間局とは異なる形で国内の地域性を映し出しています。全国向けの RTS 1 、文化・スポーツを扱う RTS 2 に加え、RTS 3 Tamba はタンバクンダ州とケドゥグ州、RTS 4 Casamance は南部カザマンス地方、RTS 5 Matam はマタム州を対象としています。地域チャンネルでは各地のニュース、社会、文化、行事を扱い、地域で使われる言語も取り入れています。1960年代の教育テレビから全国公共放送、さらに民間テレビと地域チャンネルへと広がってきた経緯そのものが、現在のセネガルのテレビ環境を形づくっています。

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ケニア共和国

ケニアのテレビ放送では、ニュースや時事を重視しながら、ドラマ、スポーツ、生活情報、エンターテインメントなどを組み合わせた総合編成が広く見られます。NTV Kenya は報道を大きな柱としながらドラマやスポーツも扱い、Citizen TV はニュース、時事、生活情報、エンターテインメントなどを幅広く編成しています。KTN では総合編成の KTN Home とニュースを中心とする KTN News が展開され、2019年に始まった TV47 もニュース、社会、スポーツ、エンターテインメントなどを扱っています。

放送言語を見ると、NTV Kenya 、Citizen TV 、KTN 、TV47 では英語とスワヒリ語が使われています。その一方で、ケニアには地域言語を中心に使用するテレビ局もあり、Kass TV はカレンジン語を主要な放送言語として、地域ニュース、文化、音楽、農業、生活情報などを編成しています。Royal Media Services も Citizen TV のほかにキクユ語の Inooro TV やルオ語の Ramogi TV を展開しており、全国的に使われる言語と地域ごとの言語が、テレビ放送の中で使い分けられています。

今回取り上げている5局はいずれもナイロビを本拠地としていますが、番組が扱う地域は首都だけではありません。全国の政治、経済、社会を伝える局があるほか、TV47 は各カウンティの出来事も取り上げ、Kass TV はリフトバレー地域の社会や文化との結びつきを持っています。放送・制作の機能がナイロビに集まりながらも、番組では全国各地の出来事や地域社会が扱われており、英語、スワヒリ語、地域言語という言語の違いとあわせて、ケニアの地域構成や社会の多様性がテレビ放送にも表れています。

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ルワンダ共和国

ルワンダには公共放送と民間放送局があり、このうち RBA 、BTN 、TV10 はいずれも首都キガリを拠点としています。3局はそれぞれ異なる放送事業を展開しており、チャンネル構成や番組の重点にも違いがあります。RBA は、ニュース、社会、教育、文化、スポーツなどを扱う Rwanda TV と、スポーツや音楽、文化・芸能を多く扱う KC2 を展開しています。BTN には、ニュースや社会・経済、文化などを扱う BTN TV と、スポーツ・エンターテインメントを中心とする B+ TV があり、TV10 はニュース・時事からスポーツ、文化、生活、エンターテインメントまでを一つの総合チャンネルで扱っています。

言語の使われ方にも各局の違いがあります。Rwanda TV ではルワンダ語を中心に、英語やフランス語によるニュースも編成されています。BTN TV はルワンダ語による番組が中心で、一部では英語も使われています。TV10 ではルワンダ語と英語が使用されています。複数の言語が公用語となっているルワンダで、テレビ放送ではルワンダ語が広く使われながら、局や番組によって英語やフランス語も加わるという言語環境が見えてきます。

番組分野を比べると、RBA は公共情報や教育・文化を含む全国向け放送を担い、BTN と TV10 は民間テレビとしてニュースや社会情報に加えてスポーツ、音楽、文化、エンターテインメントなどを組み合わせています。放送機能がキガリに集まる中で、公共放送と民間放送局が異なる編成を持ち、国内の社会、文化、スポーツ、生活に関係する話題をそれぞれの役割から取り上げています。

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