| Home > アジア > 韓国 |
全国向けの地上波放送とニュース専門チャンネルが並立し、地域を対象とするテレビ局や海外向け放送も加わることが、韓国のテレビ環境の特徴です。地上波では KBS のような公共放送に加え、全国規模のテレビネットワークや地域放送局がニュース、時事、ドキュメンタリー、文化・教養、ドラマ、娯楽、音楽、スポーツなど幅広い番組を制作しています。放送では韓国語が中心となっており、全国向けの番組と、それぞれの地域社会に重点を置いた番組の双方が制作されています。
ニュース分野では、総合編成の地上波放送とは別に、ニュースや時事情報を専門的に扱うチャンネルが発達しています。1995年に開局した YTN は韓国初の24時間ニュース専門チャンネルで、2011年には通信社の聯合ニュースを背景とする聯合ニュース TV も放送を開始しました。政治、経済、社会、国際情勢、地域、文化、スポーツ、気象などを継続的に扱うニュース専門局は、韓国のテレビ報道を構成する一つの分野となっています。
地域に軸足を置く放送も韓国のテレビ環境の一部です。京畿道富川市に本社を置く OBS 京仁テレビは、京畿道や仁川広域市に関わるニュース、地域課題、暮らし、文化などを取り上げています。一方、国外に韓国の情報を伝えるテレビ放送としては、英語を主言語とする Arirang TV がニュース、時事、文化、芸術、大衆音楽などを扱っています。KBS も KBS WORLD TV を通じて、韓国で制作した番組を海外向けに編成しています。
韓国の放送産業には、地上波放送のほか、ケーブルテレビ、衛星放送、IPTV 、各分野に特化した専門チャンネルなどが含まれます。また、韓国で制作されたテレビ番組は国内で取引されるだけでなく、ドラマや娯楽番組を含むさまざまな作品が国外にも輸出されており、番組制作と海外展開も韓国の放送産業を理解するうえで重要な要素となっています。
本ページでは、こうした韓国のテレビ放送の中から、公共放送の KBS 、ニュース専門チャンネルの YTN と聯合ニュース TV 、海外向け放送を行う Arirang TV 、京畿・仁川地域に重点を置く OBS 京仁テレビを取り上げ、それぞれの所在地、番組分野、沿革、放送局としての特徴などをご紹介します。
KBS(Korean Broadcasting System / 韓国放送公社 / 한국방송공사)は、ソウル特別市永登浦区汝矣島に本社を置く韓国の公共放送です。テレビでは KBS 1TV と KBS 2TV を中心に全国向けの番組を編成しており、KBS 1TV はニュース、時事、教育、ドキュメンタリーなど、KBS 2TV は文化、娯楽、ドラマ、音楽などを主な分野としています。公共放送として、報道だけでなく、文化・教養や社会的なテーマを扱う番組も制作しています。
現在の KBS につながる放送の歴史は1927年のラジオ放送に始まります。1947年にはソウル中央放送として再出発し、1961年にテレビ放送を開始しました。1973年には韓国放送公社が設立され、国営放送から公共放送へ移行しています。その後、全国各地に地域放送局を置き、全国放送と地域からのニュース・番組制作を組み合わせた体制を整えてきました。
海外向けのテレビ放送も KBS の活動の一部です。2003年に開局した KBS WORLD TV は、KBS が制作したニュース、ドラマ、文化、娯楽などの番組を中心とする国際向けチャンネルで、韓国語の番組に複数言語の字幕を組み合わせています。国内向けの公共放送と海外向けテレビ放送をともに持つことも、KBS の放送体制を特徴づけています。
1995年に放送を開始した YTN は、韓国で最初に開局した24時間ニュース専門チャンネルです。ソウル特別市麻浦区上岩洞に本社を置き、政治、経済、社会、全国各地の出来事、国際情勢、文化、スポーツ、気象などをニュースの主要分野としています。総合編成のテレビ局とは異なり、ニュースと時事情報を中心として一日を通した番組編成を行うことが基本的な性格です。
運営会社は1993年に聯合テレビニュースとして設立され、1995年に YTN を開局しました。1999年には社名を YTN に変更し、その後はニュースを中心としながら放送分野を広げています。科学技術を専門とする YTN Science 、海外向けの韓国語ニュースを扱う YTN World 、ニュースを題材に生活・教養・娯楽などを組み合わせる YTN2 など、性格の異なる関連チャンネルも設けられています。
YTN の成立は、韓国のテレビニュースが決まった時間帯のニュース番組だけでなく、ニュースそのものを専門分野とするチャンネルへ広がった時期と重なります。開局以降、国内外で起きる出来事を継続して扱うニュース専門局として番組編成を行っており、総合テレビ局とは異なる形で韓国の報道分野を構成しています。
韓国の国家基幹ニュース通信社である聯合ニュースを背景として設立された聯合ニュース TV(Yonhap News TV / 연합뉴스TV)は、ソウル特別市鍾路区に本社を置くニュース専門チャンネルです。通信社が持つ国内各地や海外の取材網をテレビ報道にも生かし、国内ニュースと国際ニュースの双方を扱っています。
番組分野は政治、経済、社会、地域、世界、文化・芸能、スポーツ、気象などに及びます。日々のニュースに加え、時事問題の解説やインタビュー、特集、ドキュメンタリーなども編成されており、一つの分野に限定せず、その時々の国内外の出来事をニュース中心に整理する構成となっています。地域ニュースを独立した分野として扱っていることも、全国各地に取材網を持つ通信社を背景とする同局の特徴につながっています。
聯合ニュース TV は2011年に放送を開始しました。この時期の韓国では、新たな総合編成チャンネルとニュース専門チャンネルが相次いで登場し、テレビ市場の構成が変化しています。その中で聯合ニュース TV は、通信社によるニュース収集・取材機能をテレビ報道へ広げる形で加わり、1995年から放送している YTN とは異なる成立過程を持つニュース専門局となりました。
海外に向けて韓国の社会や文化を紹介することを主な役割とする Arirang TV(アリラン国際放送 / 아리랑국제방송)は、国際放送交流財団が運営するテレビチャンネルです。本拠地はソウル特別市瑞草区にあり、海外の視聴者を主な対象として、韓国に関するニュースや時事、文化、芸術、大衆音楽などを扱っています。
テレビ放送の主言語は英語です。ニュースや時事番組では韓国国内の政治・社会・経済などを扱う一方、文化番組では伝統文化から現代の大衆文化まで幅広い題材を取り上げています。また、一部の番組では中国語、スペイン語、アラビア語、ロシア語、インドネシア語、ベトナム語などの字幕も用いられています。英語による国際向け放送を基本としながら、韓国の社会と文化を複数の観点から紹介する構成となっています。
運営母体の国際放送交流財団は1996年に設立され、Arirang TV は1997年に韓国内でテレビ放送を開始しました。1999年にはアジア・太平洋地域を対象とする海外向けテレビ放送を開始し、その後対象地域を広げています。国内向けの総合テレビ局とは異なり、国外の視聴者へ韓国について伝えることを設立当初から主要な目的としている点に、このチャンネルの性格があります。
京畿道と仁川広域市に関わる地域情報を重点的に扱う OBS 京仁テレビ(OBS Gyeongin TV / OBS경인TV)は、京畿道富川市に本社を置く民間の地上波テレビ局です。京仁地域を基盤とする放送局として、京畿道や仁川のニュース、地域社会の動き、自治体に関わる話題、経済、暮らし、文化などを取り上げています。
ニュースでは京畿と仁川をそれぞれ主要な地域区分として扱い、政治、経済、社会、文化、スポーツ、気象などと組み合わせて地域の出来事を伝えています。テレビ全体ではニュースだけでなく、教養、ドキュメンタリー、娯楽なども編成しています。地域の行政や生活課題、文化、地域で活動する人々などを扱うことにより、京仁地域の社会や暮らしを継続して取り上げていることが同局の特徴です。
OBS の前身となる法人は、京仁地域の地上波放送事業者に選定された後、2006年に設立されました。2007年にテレビ放送を開始し、2008年に社名を OBS 京仁テレビへ変更しています。その後も京畿・仁川地域を軸とした放送を続けており、全国向けのニュースや番組も扱いながら、地域に関する報道と番組制作を放送局の重要な分野としています。
| ページ上部へ戻る |